Columbia University Japanese Language Program

5年生 ショーとショート 5th Year Japanese Short Stories

「キラキラ」 デービッド・コーツ 

 

キラキラはとても親切なペンギンである。仲良しの友達がたくさんいて、出会った友だちはすぐ幸せな気分になる。また、キラキラは外向的なペンギンである。会ったことはない人も親しく話すことができる。キラキラは極めて頭のいいペンギンである。数学、科学、歴史、経済、文学とキラキラはほとんど科目分野を勉強していて、詳しい分野がたくさんある。キラキラは友達の個人的な心配事を相談に乗るのが上手なので、友達は困っているとき、キラキラと話すと、いいアドバイスをもらうことができる。

しかし、キラキラには弱点がある。キラキラは限りなく寛大なペンギンである。寛大すぎるのである。

Text Box:  ある日、キラキラが森を歩いていると、泣いている熊に出会った。

Text Box:   


「熊さんどうして泣いているんですか。悲しいんですか」とキラキラが言った。

「私は自信のない熊ですから、 Text Box:  他の熊となかなか話すことが

できないんです。熊付き合いはとても難しい。誰も私のことなんか好きじゃないんだ!」と熊は泣いた。

「誰も熊さんが好きではないとは言えないでしょう。多分自分に自信をもてば、友達を作ることができて、またガールフレンドも見つけられるようになると思いますよ!」

キラキラがそういって、目をかたく閉じると、キラキラの心から光の玉が出て、熊の心に入っていった。キラキラは自分の自信を熊にあげたのだ。熊はすぐにうれしくなって。

Text Box:  「どうもありがとう!」と言った。キラキラもとてもうれしかったが、何だか気持ちが静かになってしまった。ちょっと気分が悪くても、歩き続けた。

 

三十分後、キラキラは木の下に座った。          

その木の中から困惑気味の雀がキラキラの前に落ちてきた。

Text Box:  「おはよう!私はどこにいるかな。」と雀が言った。

「こちらは大森です。とても有名なところですよね」

「そうですか。わたし、ちょっと頭が悪いんです。時々自分の名前も忘れてしまうんです!頭がよかったらいいのに・・・」

雀がそういうと、またキラキラが目をかたく閉じ、頭から光の玉を出した。その玉は雀の頭の中に入っていった。すぐに雀は目を大きく目開いた。

「あっ!私もいろいろなことが理解できるようになりましたよ!ありがとうございました!」

「うれしいです。では、私は帰ります。じゃまた。」

ラキラはもっと気分が悪くなったが、歩き続けた。

やがてキラキラは道に迷ってしまった。何時間後かに、湖に着いて、少し水を飲んだ。水を飲むとき、湖の水面から魚が顔を出した。

「こんにちは。おげんきですか。」と魚が言った。

 

「こんにちは。実は、帰りたいんですけど、道に迷ってしまったんです。困りました。失礼ですが、魚さんちょっと悲しそうですね。大丈夫ですか。」

Text Box:

 

「実は私はよく自分の不安とか問題を相談できても、私が相手にアドバスをあげるのが苦手なんです。それでちょっと困っているんです。」

魚がそういうと、キラキラは目をかたく閉じて、耳から光の玉を出した。その玉は魚の体に入っていった。玉が入ると、魚は元気になった。

「ペンギンさんの苦難が理解できましたよ!水際を辿って行ったらきっと三十分後にペンギンの町に帰ることができますよ!」と魚が言った。

キラキラはうれしかったが、とても気分が悪くなってしまった。十分後、キラキラは眠り込んでしまった。すると、そんなキラキラを熊と雀と魚が見つけた。

「あっ!キラキラ!どうしよう?」と熊が言った。

「助けられるかな?キラキラはとてもいいペンギンですから」と魚が言った。

「うん。キラキラのあげたことを少しずつ返したらよくなる。」と雀がいうと、熊と雀と魚は目をかたく目を閉じた。それぞれの体から光の玉が出て、キラキラに入っていった。すぐに、キラキラの黒い羽は白くなって、キラキラはとうとう飛び始めた。キラキラの自信と知識と理解力は回復し、助けたことはたくさんあったので、キラキラはスーパーペンギンになっていた!

それからずっとキラキラは空からみんなを見守っていた。キラキラはとてもうれしかった。

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「日曜日のピクニック」アントワン・グラディー

風が冷たい。鞄の中から女性がカーディガンを取り、肩にかけた。

「今年、夏が終わるのが早かったわね」

主人に何かって言った。優美な女だ。美人と言えるけれど、顔を見て目に入ってくるのは美ではなく、悲哀だ。ここ数年ずっと彼女は悲しげな目付きをしていた。

「秋の訪れは招かれざる客が訪れるようなものだってとあなたがよく言ってたわね。」

唇を震わせて話した。墓石が反射する太陽の光が眩しかった。

ワインをちびちびのんだ。

 

「明日、またピクニックに行くの?」

Text Box:  「もちろん。日曜日だから」

と、女はそっけなく答えた。                                

「もう三年経ったじゃないか。毎週お墓に行かなくてもいいだろう?もっと前向きに自分の人生を生きなきゃ。失恋から立ち直るための最も良い方法は新しい恋人を見つけることだよ。」

「お父さん、他の男を見つけるとかの問題じゃない。愛している主人が殺された。私

の心も彼と一緒に死んだの。人生でこんなにも深い愛を知るのは一度だけよ。」

「分かるけど・・・」

 

 

 

Text Box:   


 ワインをちびちびのんだ。

「誰にも分からないでしょ。こんな悲しみ。」

と、女は頭の中で考えた。

氷のように冷たい突風に煽られ、ピクニック用のバスケットから暖かいチキンスープを取り出した。 

主人が三年前に死んでから毎週日曜日にはお墓に来て、主人のお墓のそばでピクニックをするのが習慣になった。主人が生きていた時と同じだった。ロマンスを続けるために毎週のデートをすることに決めた。彼は特にピクニックに行くのが好きだった。

「寂しいよ。」

彼女は一言発し、泣き崩れた。ティッシュペーパーを探して鞄の中をさぐったがみつからなかった。セーターの袖で目をぬぐった。ワインを飲み干した。

「どうぞ。」

女は心臓が飛び出しそうなほど驚いた。彼女の後ろに腕を広げて手にハンカチを持っている男がいた。

「驚かせてすみませんでした。どうぞ、ハンカチを」

女はそのハンカチを受け取ると、涙をふいた。ハンカチを四つに折り畳んで、男に返した。

「どうもありがとう。」

「奥さんがお墓から戻ってきて泣き出すのが見えたんです。お邪魔でなければいいのですが。」

優しい顔をしているな、と女は思った。そして、彼は彼女と同じ目をしていた。悲しみに満ちた目だ。鏡をみているようだった。しかし、それでも男は笑っていた。女は胸がどきどきし、顔が赤くなった。彼の質問には答えず彼女は頭を横に振った。男は話し続けた。

「実は二、三ヶ月前に初めてあなたを見たんです。毎週日曜日、ここに来るようですね。」

「ええ。」

「よく分からないけど、初めて見た時からずっと話したかったんです。光に引き寄せら

れる虫のように君に惹かれた。」

と、男はずばり言った{そっちょく}。

その言葉に女は感動を覚えた。彼の目に自分を見た。呼吸困難になってきた。空のグラスを見て、涙が出てきた。

「僕のこと、ばかだと思っているんでしょう」

「違います」

「何で泣いているんですか?」

「はじめは、主人がいなくて寂しかったから。その次はもう人を愛することができないと思っていたから。」

「今は?」

「今は、人をまたすきなることができるかもと思ったけど毒が入っているワインをもうのんでしまったから。」

 

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「金好き」 キャサリン・リー 

「ドン...ドン...ドン...ドン...」

家の掛け時計がまた歌っている。いつもと同じ歌を何度も歌っている。今度はその歌を十回歌った。

「もう十時だ。パパはいつ帰ってくるかな」

と、遼は独り言を言った。広い家にぬいぐるみのおもちゃやコンピュータ・ゲームはいっぱいあるけど、話す相手は一人もいない。

たった一年間。パパとの二人暮しはまだ一年しか経っていないから、まだ慣れていないかもしれない。

Text Box:  九才の遼はパパの仕事について何も知らない。ただ毎日、仕事の鬼のように働き続けるパパを見ている。週末も、 時々仕事のせいで遼とのデートを中止しなければならない。何でパパの仕事はいつも終わらないのか。遼は全然理解できない。

じっと考え込んでいた時、玄関から鍵を開けている音が聞こえた。

「ただいま。遼、もう寝た?」

パパの声だ!

 

「パパ、お帰り。」

「今日、いい子にしてたか?宿題もちゃんとやった?」

「うん。パパ、質問してもいい?」

洋介がうなずいた。

「パパは何でいつも仕事をしているの?仕事って何?」

「遼はまだ子供だから、分からないよ。パパが仕事をしなかったら、お金をどこからもらう?お金がなかったら、遼が好きな食べ物やゲームをどうやって買う?」

遼は目を大きく開いて、ちゃんとパパの言ったことについて考えていた。

「じゃ、パパ、五十ドルもらっていい?」

「何のために?」

「ゲーム。新しいコンピュータ・ゲームが買いたいから。  

 

買ってもいい?」

「そうか。いいよ。でもさ、条件が一つある。学校の勉強をおろそかにしないように。」

「はい、分かりました!」

と、晴れやかな笑顔で言った。

 

しょうがないなあと、洋介は思ったが。仕事が忙しいため、今遼にあげられるのはゲームしかない。

次の夜も、遼は同じ質問をした。

「パパ、五十ドルもらっていい?」

「また?!今度は、何のために?」

「えっと、ゲームの PART II を買うため。パパ、お願い!お願い!」

「分かったから。早く勉強しなさい」

と言いながら、財布から五十ドルの現金を出した。

「パパ、五十ドルもらっていい?」

三日目の夜、遼はまた同じことを聞いた。しかし今度は、洋介がもう気長に理由を聞かなかった。仕事で毎日くたびれている上、家に帰ってまた母親の責任を兼任しなければならないので、辛抱ができなくなってしまったのか。

「ダメだ!いつもゲーム、ゲームって。いい加減にしろ、遼!悪いことばかり覚えて。」

遼は何も答えなかった。

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四日目の夜。洋介はちょっと早めに家に帰った。夕べ、遼を叱ったことを考えていた。ちょっと言い過ぎたかなあと、思えば思うほど後悔してきた。

「ただいま。遼、何をしてるのか?」

返事がなかった。寝室に入ると、洋介のベッドで寝てた遼を見た。それで、机の上にピンクの封筒を見つけた。封筒の正面に「パパへ」と遼の字できれいに書かれていた。

「パパ、お帰り。今日もお疲れ様です。前、パパに仕事は何のためかと聞いたの。パパ、覚えてる?お金のためって言ったよね。じゃ、パパ、これあげる。何時間の給料になるか分からないけど、マクドナルのお姉さんによると、十時間位にはなるかなあ。パパ、足りる?足りなかったら、ぼくのおもちゃも全部あげるよ。もう全部箱に詰め込んだ。明日は誕生日だ。誕生日の日に、ぼく、パパを雇いたいんだ。〜遼」

封筒の中から、五十ドル札が二枚落ちた。

 


  

 

 

 

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「ちょっとしたおしゃべり」 ジャッキー・ロジャース

マリアは窓側席に座っていた。飛行機に乗る事は特別に好きでは無かったが、別に嫌でも無かった。このごろ仕事のためによく飛び回っているので、別になんてこと無いことになっていた。窓側席に座るのが一番好きだったのは、夢中になって外を眺めていれば、隣の人に声をかけられる事はあまりないからだった。二度と会う事が無い、知らない人と話すのは時間の無駄だ、と思っていた。だから、隣の人に声をかけられてもつめたく一言で返事をして、「今日の人はしゃべり好きか?しまったな」と思いながら、大急ぎでコンピューターを出して仕事をするふりをするのがプラン。

「それじゃ?シカゴまでですか?」と隣の四十才ぐらいの男性が話しかけてきた。

「あっ...はい。そうです。」とマリアは驚いた振り。

「俺もそうなんです。」

ミヤモ

マリアはくちびるをしぼるようにギュッと口を閉じたまま「うん」とうなずき、窓の方もう一度目を向けた。子供の頃から人としゃべるのが苦手で、周りの人によく「意地悪」、「冷たい」、「不親切」と言われてきた。別に悪気では無かったのに(ただ、人みしりだっただけで)、「冷たい」と二十年間言われ続けでいるうちに、マリアはその性格が自分の本当の性格だと思い込んでしまっていた。だから、「自分は優しくない」と諦めていて、人間関係で努力することはなかった。

「娘が居るんですよ。」と隣の男性がまたしゃべってきた。

「あっ...そうですか。」

「そう、そして彼女のサッカーの試合が明日あるのに、急な出張でいけないんだよね?。」と足した。

「それは残念ですね。」とマリアはまた冷たく返事をした。でも、男の人はその冷たさに気づかないまま、

「よく出張でシカゴに行くんです?」ときいてきた。

「...そうですね。」とマリアは同じ質問を聞き返すこともしなかった。それでも男性は続けた、

「シカゴは好きですか?」

「まあまあ好きかな。」

「私、初めてなんですよ。何か美味しいレストランでも教えていただけませんか?」

「ないですね。」

「あ?そうですか...」

「...でもカフェはどうですか?」とマリアは何とか返事をした。

 小さなことだが、男性がマリアの冷たさに気づかず話し続けていたのが、マリアにとっては新鮮なことだった。男性のちょっとした親切に気持ちが少しだけ動かされ、マリアは自分から会話を続けてみた。性格を変えるまでの衝撃的な瞬間では無かったが、ちょっとしたおしゃべりでその日は少しだけでも明るくなれそうだった。

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「僕は学校が嫌いだ 」 和田賀奈子

単刀直入に言うが、僕は学校が嫌いだ。これじゃあまだ本当の気持ちが伝わらないから、もう一度言い直す。僕は学校なんて場所が大嫌いだ。勉強なんかはただの時間の無駄で、何の意味もない。でも、行かなくてはいけないのだ。

毎朝、母は決まった時間に僕を起こしてくれるが、「今日も学校に行くのー?」と、面倒くさそうに聞く。毎朝、同じ質問だ。母は本当に接着剤の様にしつこい。そして僕は壊れたラジカセみたいに「行かなくちゃ。」といつも同じ事を繰り返す。

【画像】ランドセル2

「へー、そうなの。まあ、じゃあ

適当に頑張ってよね。」母は呑気に答える。

「いってきます!」僕の家にはお金がないため、他の子みたいに授業を受ける事は決して許されない。だから僕は内緒でそっと学校の外から授業を受けている。本当の事を言うと、先生は僕の存在にすら気づいていないかもしれない。それに、僕には友達が一人もいない。だから学校はつまんなくて、行くのも馬鹿馬鹿しい。そう思いながらも通っている理由は、テレビに映っていたあの怖いおばさんの一言だ。ある日散歩をしてたら、テレビの画面に怖いおばさんの顔が大きく映っていた。彼女は炎の様な目でスクリーンの向こう側から真っ直ぐにこっちを睨んでいた。「若者は皆学校に行きなさい。絶対に行かないといけません!」あれを見て以来、僕は学校が嫌いでも、

どうしても行かなくちゃと思い始めたの

だった。

そしてちょうど一ヶ月前、

ちょっとした事件が起きた。

多分僕にとって、 『運命の出会い』ってやつに出会ったんだと思う。その日は何故かいつも以上に退屈だったので、冒険でもしようと思って、昼食の時間に学校の屋上に侵入した。そこに、可愛いらしい女の子が一人でお弁当箱を抱えながらおとなしく座っていた。一度はそこを離れたが、やはり彼女が気になり、すぐ屋上にもう一度足を運んだ。そして、彼女にそっと近付き、寄り添い、話しかけようと思ったその瞬間、彼女は驚いて、「きゃーーーー、これあげるから、あっちに行って。消えて。お願いだから。本当にやめて。いなくなって。いやー、もう最悪。」と大声で叫んだ。彼女は鮭のおにぎりを僕のほうに向って投げつけた。大きな岩の様なおにぎりは僕の右目に当たり、彼女は一目散に逃げていった。そして僕の『運命の出会い』ってやつは早くも幕を下ろしたのだ。

 その翌日、僕は二度目の 『運命の出会い』に遭遇した。 それもまた学校の屋上での Text Box:  出来事だった。そこには小柄でぽっちゃりとした女の子が一人座って、ほこりだらけの黄色い食べ物を口にくわえていた。きっとチーズだったと思う。とても美味しそうにそのチーズを頬張る彼女は、多分、花より団子タイプなのだ。突然、彼女は歌を熱唱し始めた、「ちゅー、ちゅー、ちゅー」とても変わった歌い方である。でも僕はそんな彼女に恋をした。僕はその時、あのチーズになりたいとさえ思ってしまった。そして、少しずつ学校という場所が好きになりかけている自分に気付いた。毎日屋上に行くのが本当に楽しみになってたんだ。でも、最初の『運命の出会い』があってから、僕は少し臆病になっていた。そこで、兄貴分のよっちゃんに相談した。彼はどうやら恋愛経験が豊富なようで、得意そうにアドバイスをしてきた。「恋っていうのは時間をかけて、壊れないように優しく優しく育てるものなんだよ。」その時、初めて少しだけよっちゃんを尊敬できた気がした。


 

 

そしてあれから三週間が経ち、僕はもう遠くから見詰めているだけではなく、そろそろ告白をちゃんとしようと決心した。でも、いくら屋上で待っても、彼女は姿を現さなかった。後から聞いた話だけど、どうやら彼女はすでに他界していた様だ。それも、自然死ではなく、殺されたのだ。なんとその犯人はよりによって、僕の兄貴分のよっちゃんだった。彼を問い詰めたところ、彼は開き直ってこう答えた。「お前本気で彼女を狙ってたのか?本当見る目ないなー。どうせお前達が一緒になったとしても、きっとうまくいかなかったよ。あれは禁断の恋ってやつだ。」確かに、そうかもしれない。僕は何故かどうしてもよっちゃんが憎めなかった。自分でも心のどこかでその事実を自覚していたのかもしれない。

 学校という場所は沢山の素敵な出会いを提供してくれる天国にちかい場所かもしれない。でも、僕の場合、どっちの『運命の出会い』もあまり良い結果ををもたらさなかった。今では、屋上に遊びに行くと、悲しい記憶だけが蘇り、僕の目はいつも涙の滝と変化してしまう。辛くて、胸が苦しくて、僕はどうしようもなく孤独を感じてしまう。時々、あの怖いおばさんの顔も蘇ってくる。でも、僕はもう学校に行くのは耐えられないんだ。頑張っても、頑張っても、もう無理だと思う。そしてとうとう僕は母に正直な気持ちを話そうと思った。真剣に話したのに、母はただニャーニャーと笑った。「嫌いなのは当たり前よ、馬鹿ねー。」

 そうだ。僕が学校や勉強が嫌いなのは当然なのだ。それに、僕はそういった物を好きになる必要もないのだ。母は教えてくれた。「吾が道を勝手に歩く。これが猫として、バラ色の人生を生きる秘訣よ。」そう、だって僕は猫なのだから。

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